恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
それは自分でも驚いていたことだった。
前の彼に対しては、過去の女性との恋愛を想像するのは嫌だった。影が見えただけで、すごく落ち込んだ。
でも相手が圭太郎だからなのか、自分が年をとったせいなのか、圭太郎の過去の女性に対しては、嫌な感じはせずに受け入れられている。

「お互いの経験の上に今の私達があるのであって、人がそうやってつながっていくのは面白いことだと思います」

「ふぅん」

奴はニヤニヤしながら、PCの設定を続ける。

「似てるな、そういうとこ」

「誰とですか」

「さあ、誰とでしょうか」

元カノ、とかいうオチか。
望月さんには悪いけど、この男、いけ好かない。

「洋服全部持ってきたけど、望月さんにおすそ分けしようかな。ちょっと大人っぽい服着て、ばっちりメイクして、ヘアアレンジしたら、男の人ほっとかないだろうなー」

奴は小さく舌打ちした。

「……ほんと、三神に似てる。変に真面目なとこだの、人の弱点つくとこだの」

何だ、圭太郎に似てるって言ったのか。

「……あまりうれしくないです」

フン、と奴が鼻で笑った。

決めた。
今の作戦実行してやる。


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