恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
主題が静かに終わり、
小休止。
一瞬の静寂に、これから展開していくであろう、めくるめく世界への期待がかきたてられる。


第一変奏。
はい、出た、難しいテクニック。
八分音符のスタッカート5音が、ひと弓のアップボウで奏でられる。
歯切れがよい、粒が揃った音。

……やっぱり上手い。分かってるつもりだったけど、改めて、上手い。


第二変奏。
細かい音符がレガートで滑らかに連なっていく。
ありえない高速移弦もきっちりリズムにはまる。


無伴奏なのに、ぐいぐいくるグルーブ感。
全力疾走で駆け抜けていくような爽快感。

それらに、叩きつけるような気迫と、魅惑的な色気とが混在していて。

……私の覚悟は甘かった。

……あまりにかっこよくて、くらくらする。


第三変奏。
オクターブの二重音が、哀愁漂うメロディを歌う。
オクターブを押さえる指の形と、重音にかける腕ヴィブラートがたまらない。
聴覚からは切ないメロディが入ってきて、視覚ではたくましい腕と指に魅了され、
……やばい、ぞくぞくする。
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