クールな准教授の焦れ恋講義
「今、地元の新聞社から連絡があって今年度の資料館の活動についてのまとめと、来年度から予定している企画展の告知とを合わせて記事にしたいって話が来たの」
「それは有難いですね」
「資料館のことは私たちが話せるけど、専門的な話は理事にしてもらうのがいいと思って。記者さんが今度の報告会か懇親会にでも一度いらしてくれるらしいから、その際はよろしくね」
「はい」
理事というのは先生のことも含まれている。これで報告会と懇親会も来てもらえるかな。そんな期待を抱きながら私は田代さんから聞いた話も合わせてメールをしたためた。
先生からの返事はその日のうちにあった。不在着信を残していたら電話をかけ直してくれたりするが、メールを送ったのだから返事はやはりメールだった。
返事の内容は新聞社の取材を了承するものと懇親会を含む報告会に参加するということ、そしてそこに西本先生も一緒に来るという旨が記されていた。
その一文を目にして、私の心臓はまた早鐘を打ち始めた。確かに西本先生は資料館に一度挨拶に来ると言っていた。それにしてもこのタイミングで。
そこで私は頭を振る。逆だ、たまたまいい機会があっただけだ。深い意味もない、これは仕事なのだ。それなのにこんな些細なことに動揺して泣きそうになる自分が情けない。
学生時代は片思いを楽しんでいるところがあった。恋に恋している自分が好きだった。学生だから、というのを免罪符に先生に無理を言ったこともある。
それでも許されると思っていた。私は真面目ないいい学生だったし、私を含め先生もゼミ生をそこまで邪険にすることもなかったから。
でも今は? 先生と一緒にいるとき緊張しながらも些細なことが嬉しくて楽しくて。でもそれ以上に苦しい。元ゼミ生ということを差し引いても私は先生にとっては使い勝手のいい仕事仲間でしかない。
その他大勢と一緒なんだと西本先生と一緒にいる先生を見て改めて痛感した。先生の特別に……一番になるのはものすごく難しいことなんだと。
「それは有難いですね」
「資料館のことは私たちが話せるけど、専門的な話は理事にしてもらうのがいいと思って。記者さんが今度の報告会か懇親会にでも一度いらしてくれるらしいから、その際はよろしくね」
「はい」
理事というのは先生のことも含まれている。これで報告会と懇親会も来てもらえるかな。そんな期待を抱きながら私は田代さんから聞いた話も合わせてメールをしたためた。
先生からの返事はその日のうちにあった。不在着信を残していたら電話をかけ直してくれたりするが、メールを送ったのだから返事はやはりメールだった。
返事の内容は新聞社の取材を了承するものと懇親会を含む報告会に参加するということ、そしてそこに西本先生も一緒に来るという旨が記されていた。
その一文を目にして、私の心臓はまた早鐘を打ち始めた。確かに西本先生は資料館に一度挨拶に来ると言っていた。それにしてもこのタイミングで。
そこで私は頭を振る。逆だ、たまたまいい機会があっただけだ。深い意味もない、これは仕事なのだ。それなのにこんな些細なことに動揺して泣きそうになる自分が情けない。
学生時代は片思いを楽しんでいるところがあった。恋に恋している自分が好きだった。学生だから、というのを免罪符に先生に無理を言ったこともある。
それでも許されると思っていた。私は真面目ないいい学生だったし、私を含め先生もゼミ生をそこまで邪険にすることもなかったから。
でも今は? 先生と一緒にいるとき緊張しながらも些細なことが嬉しくて楽しくて。でもそれ以上に苦しい。元ゼミ生ということを差し引いても私は先生にとっては使い勝手のいい仕事仲間でしかない。
その他大勢と一緒なんだと西本先生と一緒にいる先生を見て改めて痛感した。先生の特別に……一番になるのはものすごく難しいことなんだと。