クールな准教授の焦れ恋講義
「職権乱用です」
「特権活用と言ってくれ」
これまたあっさりと返された。何か言い返そうと言葉を選んでいると先生が頬に優しく口づけてくれた。それに驚いて視線を上げると待っていたかのように唇を重ねられる。
ほんの一瞬で離れていく先生の顔を瞬きせずに見ているとその顔には苦笑が浮かんだ。
「もっとして欲しいって顔だな」
「そんなことっ」
慌てて否定しようにも、どこかそんな気持ちもあったので私は狼狽えた。しかし先生は冗談だよ、と言って机に向かいパソコンを立ち上げる。
自分の気持ちが見透かされたのが恥ずかしくて怖くなり私は挨拶もそこそこに先生の研究室を出た。
いつもなら調査はどうでした? と尋ねるところなのに、この質問が仕事でなのかプライベートでなのか曖昧な気さえした。
「早川さん」
そこでこの前と同じように廊下で西本先生に声をかけられる。相変わらず長い髪を一まとめにして落ち着いた雰囲気を纏っていた。
「この前の調査では色々段取りをありがとう。私自身とても勉強になったわ」
「それはよかったです。また、何かでまとめられる予定ですか?」
「そうね、そんな話も出ているわ。これから巴くんのところでその打ち合わせと別の原稿を確認する予定なの」
先生の研究室から早々に立ち去ってよかった、とこっそり胸を撫で下ろす。なるほど。こういうやりとりをしているのを学生たちから見れば親しく見えるのもかもしれない。
先生は学生たちに西本先生との事を色々言われているのを知っているんだろうか。知っていたとしても二人が会っているのは仕事なのだからしょうがない。
なら、私は? さっき先生に「職権乱用」と言った言葉がなんだか自分に刺さった。
「特権活用と言ってくれ」
これまたあっさりと返された。何か言い返そうと言葉を選んでいると先生が頬に優しく口づけてくれた。それに驚いて視線を上げると待っていたかのように唇を重ねられる。
ほんの一瞬で離れていく先生の顔を瞬きせずに見ているとその顔には苦笑が浮かんだ。
「もっとして欲しいって顔だな」
「そんなことっ」
慌てて否定しようにも、どこかそんな気持ちもあったので私は狼狽えた。しかし先生は冗談だよ、と言って机に向かいパソコンを立ち上げる。
自分の気持ちが見透かされたのが恥ずかしくて怖くなり私は挨拶もそこそこに先生の研究室を出た。
いつもなら調査はどうでした? と尋ねるところなのに、この質問が仕事でなのかプライベートでなのか曖昧な気さえした。
「早川さん」
そこでこの前と同じように廊下で西本先生に声をかけられる。相変わらず長い髪を一まとめにして落ち着いた雰囲気を纏っていた。
「この前の調査では色々段取りをありがとう。私自身とても勉強になったわ」
「それはよかったです。また、何かでまとめられる予定ですか?」
「そうね、そんな話も出ているわ。これから巴くんのところでその打ち合わせと別の原稿を確認する予定なの」
先生の研究室から早々に立ち去ってよかった、とこっそり胸を撫で下ろす。なるほど。こういうやりとりをしているのを学生たちから見れば親しく見えるのもかもしれない。
先生は学生たちに西本先生との事を色々言われているのを知っているんだろうか。知っていたとしても二人が会っているのは仕事なのだからしょうがない。
なら、私は? さっき先生に「職権乱用」と言った言葉がなんだか自分に刺さった。