御曹司は身代わり秘書を溺愛しています

『あまりにも身分が違うんじゃ……』と心配する母に、『だけど私、怜人さまが好きなの』と答えた私。

その言葉に、母は黙っていたけれど……。

みんなを心配させているのはよく分かってる。けれど今の私には、怜人さまと離れることなどとてもできそうにない。

男の人を好きになってこんな気持ちになるなんて……。初めての経験だけれど、今は彼と一緒にいられる時間を大切にしたい。例えこの先、離れ離れになってしまう日がきたとしても。

チラリと頭をよぎる悲しみの予感に胸が痛み、思わず拳を握りしめた。


「理咲……。疲れましたか?顔色があまり良くないですね」


黙り込んだ私に気づき、怜人さまが心配そうにこちらに視線を向ける。

大好きな青い瞳に、私は胸の憂いを吹き飛ばすように笑顔を返した。


「どこかで食事して帰りましょう。明日は何の予定も入っていないし、今夜はあなたとゆっくり過ごしたい」


どこまでも甘い微笑みを投げかけ、視線を前方に戻す。

彼の美しい横顔を見つめながら、私は今この瞬間最愛の人と一緒にいられる幸せを、心の中で抱きしめていた。



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