君を待ってるから
「...もし明日、大切な誰かと離れることになったら、海華はどうする?」
急に、そんなことを聞かれた。
何、何か凪、おかしい。
「えっ、急に何?」
「え、いや。やっぱ何でもない。」
凪はそう言って下を向いた。
だけど私は、質問に答えた。
「私だったら、追いかけるよ。大切な人だから。離れるなんてやだもん。」
凪は、私の方を見た。
「そっか。」
凪の表情は、優しかった。
いつもは意地悪な笑顔のに、今は優しい笑顔。
でもそれがいつもの凪の笑顔と違って、どこかさびしそうだった。
気のせいじゃないのかもしれない。
「ねえ、凪。どうしたの?何かあったの?」
私が心配そうに必死に聞いても、凪は視線をそらして言ってくれない。
ーーなんだか嫌な予感がした。