あなたの願いを叶えましょう
ああ、黒澤波瑠のにおいだ。

そう思った次の瞬間、唇にふわりと柔らかな感触が重なる。

黒澤波瑠は触れるようなキスをして上半身を起こした。

「今のはなに?」

「おやすみ、の挨拶」

けろりと言ってのけると、悪怯れることなくにっこり笑う。

「課長や後輩にもおやすみの挨拶にキスするの?」

「やめろよー気色悪い。想像しただけで吐きそうだ」

黒澤波瑠は鼻の頭に思いっきり皺を寄せる。本当に嫌そうだ。

「じゃあ、若くて可愛い女の子だったら誰にでもするの?」

「そしたら冨樫にはしないだろ。若くもないし、顔もそこそこだ」

ムカついて肩を叩くと、黒澤波瑠は可笑しそうにケラケラ笑う。

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