あなたの願いを叶えましょう
「したい人にしかする訳ないじゃん」

じゃあ、私とキスしたかったの?

でも、本気で好きな人には緊張して手が出せないってたから、私に対しては本気じゃないってこと?

そう尋ねてみたいけど、答えを聞く勇気なんてない。

「そうかも」って明るく言われたらショックで腰が抜けるかもしれない。

「帰る」

口をへの字に結んで、改札に向かおうとした私の腕を黒澤波瑠は咄嗟に掴む。

「じゃあ、冨樫は誰とでもキスするの?」

まさかの不意打ちに焦って顔がより一層熱くなってくる。

「嫌な人とはしない」

「じゃあ、俺のことは嫌じゃないんだ?」

おっきな目で見つめられると、胸のうちまで見透かされてるみたいだ。

「……多分」

「よかった」

そう言って満面の笑みを浮かべる。

なんでそんな嬉しそうに笑うんだろう。

黒澤波留が好きなのは、梁川さんじゃないの?

期待してしまいそうになるじゃない。
< 124 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop