あなたの願いを叶えましょう
「富樫!」

同じフロアにある売店へ向かう途中の廊下で呼びとめられた。

振り返ると、神妙な顔をした黒澤波留が私を追ってきた。

「ごめん、今日の夕飯キャンセルさせてもらっていい?」

やっぱりそうだよね。そりゃそうだよね。

梁川さんいは申し訳ないけど、心底ガッカリしている私がいて、自己中心的な自分が嫌になる。

そんな考えを振り払おうと、首を何度か縦にふる。

「それは大丈夫」

物解りのよい大人の女性を装いたくて、落ち込む笑顔でひた隠す。

黒澤波瑠もホッと小さく息をつく。

「また今度お詫びさせて」

「それは、いいんだけど……」

私はじっと黒澤波瑠の大きな目を見つめる。

「梁川さんが義姉だって話してよかったの」

黒澤波瑠の表情が一瞬強張る。

「やっぱり聞いてたか」

私は遠慮がちに小さく頷くと、彼は口元に手を当てて、私から視線をそらす。
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