あなたの願いを叶えましょう
「ハル、俺は考えた。お前に足りないのは他人と争っても勝ち抜こうとする闘争心だ。必死になる気持ちが決定的に足りてない」

幼い俺は小学校高学年のナオシが言わんとする事がよく理解出来なかった。

帰りたい

ただそれだけだった。

「だから今日はロッキーと鬼ごっこをしてもらう」

芸人の罰ゲームかよ…

と思いつつも素直でピュアな俺は兄に逆らう術を知らない。

ロッキーがビョン!と飛びかかって来たので悲鳴をあげ咄嗟に交わす。

「ロッキーに捕まらないよう必死になって逃げろ!逃げるんだ!ハル!」

ロッキーから逃げ出すことと、リレーの選手になることの関連性が全く見出せなかった。

だけど只々恐ろしくて、俺は飛び上がって駆け出した。

「ロッキーGo!」

ナオシの声が背後から声が聞こえる。

チラリと振り返ると、リードを外されたロッキーが弾丸のように此方へ向かって走ってくる。

嘘だろ…

俺は全身全力で走り公園の中を逃げまどう。

足の筋肉が引き攣り、髪が恐怖で逆立つ。

心臓は胸から飛び出しそうなほど激しく脈打つ。
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