あなたの願いを叶えましょう
「黒澤君、外方行こっか」

先輩社員、梁川清美さんに声をかけられる。

「あ!はい!」

俺は慌てて席を立ち上がった。

東亜電鉄に勤めて3年目に渋谷営業所に配属になった。

そこそこな俺は営業成績もそこそこ優秀。

もちろん必死な努力があっての事だ。

本日は東京駅付近にある商業施設の店舗誘致を請け負う委託会社と打ち合わせののち、某アパレルメーカーとテナント出店の打ち合わせ、そして家賃交渉へと続く。

まぁ、一言で言えば下っ端の俺たちは超激務…

16:00過ぎに、ようやくとんかつ屋でランチにありつく。

美味しい、と評判の店だが、中途半端な時間だったので並ばずに入る事が出来た。

「残すなんてもったいないぞ!」

にゅっと箸が伸びてきて俺の皿から一口ヒレカツが掻っ攫われていく。

最後の楽しみにとっておいたのに…。
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