あなたの願いを叶えましょう
「最近の若い男の子は食が細いのねー」

なんて言いつつ、一口ヒレカツをたいらげた先輩社員の梁川さんは、日本昔話しに出てくるようなてんこ盛りのご飯をバクリと大口で食べる。

梁川さんは大食いだけどいい人なので、俺は何も言わずに「はあ」と笑って誤魔化す。

「そういえばさーさっきの藤原フーズとの契約金についてなんだけどさー」

梁川さんは白米だけを食べながら仕事の話を始める。

信じられない。

白米だけでも更に食べ続ける女がいるなんて。

賃貸契約の話をしながらも頭の片隅でふとそんな事を考える。

小柄で華奢な小動物のような愛くるしい容姿をしている梁川さん。

可憐な姿に着任当初は憧れを抱いたものだ。

しかし一緒に仕事をしていくうちにその印象は一変する。

行動力がある、の裏返しは、考えなし。

そして物怖じしない、の裏返しも、考えなし。

勢いで進む暴走列車のような人だ。そして鈍感力も人一倍。

ミスをして取引先に怒られて、その場でシュンとしているものの、その帰りには話題の韓流かき氷ソルビンを食べてご満悦だ。(しかもそれは真冬だった)
< 187 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop