あなたの願いを叶えましょう
なんだか真っ直ぐ家に帰る気にもなれず、ふらりと兄のお店に立ち寄った。

「なんだーハル、しょぼくれて。女の子にフラれちゃったのか?」

カウンター席に座った俺を見るなり、ナオシがショッキングな言葉を掛けてきた。

「なんでそう思うんだよ」

ムッとして俺が尋ねると、ナオシは宙に目を向け2、3秒考える。

「疲れた顔をしてるけど何処と無く色っぽさを感じる」

ナオシは真顔でいうが、セクハラまがいな回答だ。

「なにそれ。ばかじゃん」

軽く流すと目の前のメニューを手に取り、シンハービールとつまみを2、3品オーダーする。

「お待たせ」

タイ人女性の店員が仏頂面でシンハービールの中瓶をドカリと音をたててテーブルに置く。

隣にコップも置いてあったけど、俺はそのまま瓶に口付けてビールを疲れた身体に流し込む。
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