あなたの願いを叶えましょう
「ダメな私の願いを叶える!それが不貞を働いたあんたの償いでしょーがあああ!」

あんまりデッカい声を出したもんだから、一斉に周囲の視線が集まった。

しまった…

声がデカすぎたか。

「楽しそうね」

声を掛けられて、フト顔を上げるとトレイを片手に持った梁川女子がニコニコしながら立っていた。

出たな。不倫の相方。

「先日ガーデンテラスでとったアンケートの件でちょっと」

黒澤氏がポーカーフェースで取り繕うと、ふうん、と言って梁川女子は意味深な笑みを浮かべる。

どうしよう。

私が人の恋路を邪魔する不届き者だと思って牽制しに来たのだろうか。

まったくそんな気持ちは微塵も持ち合わせてないんだけど。

「冨樫さんに私達のことはきちんとお話ししたの?波留くん」

は…はるくん?

会社でそんな親しげに呼ぶなんて梁川さんてば可愛い顔して結構大胆。

「ここ、会社だから」と言って黒澤波留ぷいっとそっぽを向いた。

馴れ馴れしくしないで、と言いたいらしい。
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