あなたの願いを叶えましょう
梁川さんは肩を竦め、困ったように薄く笑みを浮かべると「お邪魔しました」と言って潔く去っていった。

黒澤波留は再び定食に手を付け始める。

梁川さんの襲撃に不意を突かれたのが不満なのか、唇を少し尖らせている。

その様子を真正面からマジマジ見つめていると、顔をフトあげた瞬間にバチリと目が合う。

何処となく気まずくて私はヘラリと笑ってしまった。

「冨樫さん、来週の金曜日空いてる?」

暫しの沈黙の後、そう言って黒澤氏はにっこり微笑んだ。

どうやら脅しの笑みと思われたらしい。

そんなつもりではなかったけれど、黒澤波留がやる気になってくれたのなら、其れは其れでよしとしよう。
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