あなたの願いを叶えましょう
「冨樫さんとの同僚で黒澤といいます。」

甘いマスクと爽やかな笑顔に女性達からため息が溢れた。

即座にはす向かいに座る長馴染みの優奈からLINEが送られて来る。

『グッジョブ』

開くとお褒めのお言葉だった。

優奈が連れて来た女子アナ風の職場の後輩もうっとりとした目で黒澤波留を眺めている。

黒澤氏が予約したお店は恵比寿にあるイタリアンのお店だった。

カジュアルな雰囲気だけど小洒落ていて女子が喜びそうなツボをしっかり押さえている。

さすが出来る男。

黒澤波留は長期戦を想定しているようで、最初からそんな手持ちの札を見せられないと出し惜しみ、一先ず3対3のこじんまりした異業種交流となった。

しかしながら、相手をじっくり吟味するには少人数の方が良いかもしれない。

向かいに座る男性と目があうとニコリと微笑み掛けられた。

短髪に仕立てのよいネイビーのスーツがよく似合っている。

黒澤波留のような文句なしの美形という訳ではないけれど、其々のパーツが小さな顔に品良く収まった好青年だ。

締まった身体にほんのり日焼けした肌が男らしい。
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