あなたの願いを叶えましょう
「ヘ…イヤ…多分」

花本は動揺してキョロキョロ周囲ヘ視線を向ける。

…こいつ、傷ついた幼い王蟲(オウム)の如く仲間を呼ぶ気だな。

「私、定時退社日だから時間かかるなら来週にしてよね」

あの…でも…、とオロオロしながら私を引きとめようするが無視してテキパキとパソコンを操作しシャットダウンしていく。

「はなもとー空気読めよ」

隣に座る後輩社員の恵梨香ちんがオヤツのばかうけを齧りながら畳み掛けるように言う。

恵梨香ちんは可愛らしいけど口と態度は悪い。
(一体誰の影響なんだか)

今日の私は一生かわいい一生ミーハーをキャッチフレーズにしたanecanスタイルだ。

胸まで伸びたダークブラウンの髪も緩いCカールを描いている。

いつもはニットにパンツスタイル、そして髪は一つに括っている事が多いので、誰の目から見ても女子力高めだ。

「お出かけでしたか」

それはポヤポヤしたこのゆとりくんにも伝わるほど。

「そんな訳で、また月曜な」

私はうずくまってデスクの一番したの引き出しに仕舞った鞄を取りだそうとする。

「冨樫さん」

低く柔らかな声が聞こえる。
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