あなたの願いを叶えましょう
黒澤波留は穏やかな笑顔を崩すことなく一気に畳み掛けた。

うーわー…ガン詰めしてる。

年上にも容赦なし。

ガン詰めされている当本人の先輩は返す言葉がないようで、肩を落としてシュンとしている。

解る。解るよ。

辛いよね。苦しいよね。

その姿に自分が重なり、思わず同情してしまいそうになる。

「冨樫さん?」

不意に名前を呼ばれてハッと我に返った。

梁川さんが不思議そうな顔で私をジッと見つめている。

「あああのポスターをお持ちしました!ドレッセの!」

いきなり張本人に出くわし、動揺して口篭ってしまった。

「ありがとう。じゃあ、ちょこっと確認してみよっか」

その小さな背中の後についていき、奥の打ち合わせスペースへと移動する。

私と梁川さんはテーブルを挟み向かい合って座った。

「黒澤くん、詰めてたね」

ポスターを広げながら梁川さんはボソっと呟いた。
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