あなたの願いを叶えましょう
「あの笑顔で詰められると真綿でジワジワ首を絞められるようで苦しいでしょうね。いっそのこと馬鹿!って罵ってくれた方が気が楽だと思います」

私がため息混じりで言うと、梁川さんは可笑しそうにクスクス笑い出した。

同性から見てもその笑顔は可愛らしい。

「だけど、波留くんは冨樫さんと一緒にいると楽しそう。自然体でいられるのが いいのかな」

波留くんって…

私の前では2人の仲を隠す気なしですかい。

なんだか気持ちがザラつく。

そんな複雑な私の心境を他所に梁川さんは丸まったポスターをくるくると広げて行く。

「ねえ冨樫さん、今日このあと予定ある?」

午後には一つ打ち合わせが入っているけれど、それ以外は特に何もない。

「15:00以降でしたら何時でも大丈夫です」

「じゃあ空けておいて。19:30から」

「え?」

随分遅い時間からの打ち合わせなので思わず聞き返してしまった。

どのみちその時間なら残業して会社にいるだろうけど。
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