デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
片手で彼女の肩を抱いて、ゆっくりと夜着をその肌から剥がしながら、頬や首に何度も優しいキスをする。

「〜〜〜っっ……」

真っ赤な顔で目をつぶり、前を組んだ腕で隠していたが。

シーツに身が預けられる小さな音と共に、目を開けると部屋の天井が見えた。

シュ、と衣擦れの音がして、王の夜着の帯が解かれる。

紫の瞳が熱っぽくこちらを見つめた。

「隠すな。……見たい」

両手首を持って、そっと顔の横に留める。

はぁ、と漏れる吐息と共に、じっとその白い肌の全てを見つめた。

「お……お……王様、あのっ………」

羞恥にたまらず、小さな悲鳴のような声をあげた。

「あ、灯り……を…消してください……!」

潤んだ黒い目と、徐々に淡く染まる胸元。


……どう触れていいかわからないほど、美しい。


どんどん高ぶる熱を感じながら、首を振る。

「嫌だ。お前のすべてを見たい」

「お願い……は、恥ずかしくてもう……」

懇願するその表情が、より熱情を煽った。

ゆっくり、深く唇を繫げる。音を立てて彼女の口内を侵した。

「……すぐに、羞恥など気にならなくなる」

「ふぁ…?」

「そんな邪魔なもの、その頭から飛ぶほど、狂わせてやろう」
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