デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
口を開け閉めして、下を向く。

「あの……はい、お陰様で、滞りなく、つつがなく……」

もごもごと口ごもりながら白状した。

イエエッス!!とガッツポーズする二人。

「もうきっと、我が君は桜様に溺れられる一方ですわね!」

「そ……そんな」

頭をかくと、微笑みながらも神妙になって、二人は膝を折った。

「これで、名実ともにご寵姫ですわ。おめでとうございます」

「心からお仕えさせて頂きますわ、我が女王の君」

びっくりして、桜はあわてて二人を立たせた。

「いや、やめてください!今まで通りでいてください」

急に二人との距離が広がったような気がして、きゅっと手を握る。

「あの、あのそれに……お二人には今後も相談に乗ってもらいたいんです」

もじもじしながら言う桜。

「桜様……」

「あ……あの、私本当にこういうの初めてだらけで……分からないから……そ、その、色々上手にできなかったり……するから……」

真っ赤になる桜を、二人もつられてポッと頬を染めて見つめる。

「王様が…あの、どうしたら喜んでくれるかなって思っても、してほしい事とか、分からないから……」

恥ずかしさにぷるぷるしながら言うと、フフ、とフラウが微笑む。

「カンタンですわ桜様、そのままそう我が君におっしゃればよろしいんですのよ」

「え?」

ポカンとする桜にルネもうなずき、「……こういうシチュエーションの時に、こうおっしゃいませ」

耳打ちした。
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