デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「ああ。意外とすんなり休みが取れた。……ふふん、おそらくは一昨日の統括部の視察が効いてるな」

ニヤリとして、桜に片目をつぶってみせた。

「お前がいなくて、私もイラ立つのをどうしようもなくてな。みっちりきっちり仕事をしたのさ」

「そうなんですか……」

うなずいて、深宮の入り口に二人で入る。

「そう。……だから、今からの時間は、私とお前二人きりだ」

歩きながら、我慢できないと言うように、その肩を抱き寄せた。

私室に入り、片手で閉めたと同時に、唇が重ねられる。

「んっ……」

一度短く、桜の身が震えた。

ぴちゃ、と舌を使う音がして、夢中で深く彼女を貪った。

「桜……桜……、来い……」

グイと強い力で、寝台へ。

仰向けに桜を横たえたあと、身を起こしてシャツを脱ぎ捨てた。

早くも熱に揺れる瞳が、眼下の娘を見つめた。

「さあ、この私を三日も待たせて焦らした礼は、たっぷりさせてもらうぞ」

そう言って髪を払うその艶っぽい仕草に、桜は眉を寄せて黒い瞳を伏せた。
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