デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「送ろう。出入り口まで」

王も立ち上がり、部屋の入り口の帳を払った。

「え…いいですよ、お疲れなんですから、早く休んでください」

「送りたいのだ。…行こう」

遠慮をする桜に笑って、王はすたすたと歩き始めた。


廊下の天井画を見上げながら、桜がふと言った。

「あ、星座のお話も、しないといけないですね。こうやって考えると、私の世界もお話することたくさんあるなあ。……いつ終わるんだろう」

そんな言葉を、何とも言えない思いで聞いていた。

そうしている間に、出入り口についた。

くるり、と桜が王の方に向き直る。

「ごちそうさまでした。疲れてるのに、気づけなくてごめんなさい。明日も、無理をされないでください」

昨日のように、ペコンと頭を下げた。

『また明日』と言ってほしかったと思いながら、王は笑顔を作って頷いた。

その時、声が聞こえたのだろう、外に控えていたカナンが姿を見せた。

「我が君、お話はお済みですか」

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