デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
それぞれの駐屯地の宿舎は、街のほぼ真ん中に位置している。
王によって十分な快適さが保証され、一人ひとりにきちんと個室があてがわれていた。
浴場で水をかぶるシュリのところに、さっきの仲間の一人がやってきた。
「おいシュリ、さっきハレイ達と話してたんだけどよ、今夜お前の帰還祝いっつー事で飲みに行かねーか」
「お前ら何かにつけて飲みてーだけだろ」
笑いながら赤い頭を振って水気を飛ばした。
「いいぞ、別に」
「お、やった。じゃぁその後は…やっぱ女だな。そっちは俺らで1番の上玉、おごってやるよ」
同僚がシュリの裸の肩を叩いて、片目をつぶった。
「…………」
したしたと石の床に音をたてる水の雫の音を聞きながら、シュリは少女を思い出した。
“シュリさん…”
きらきらと黒の瞳を細めた、清廉な笑顔。
「……いや、そっちはいいわ」
「は?何でだよ。おごりだぞ」
「とにかく、俺は女はもういい」
誘えば断らなかったシュリの変化に、同僚は目を丸くした。
「……お前、まさかキトニの旅で決めた相手が出来たのか」
途端に、シュリの顔色が自分の髪と同じになる。
驚愕の表情を浮かべた彼は、すぐそばで体を洗っていた別の同期を手招きした。
「おい、こいつついに、この間のキトニの任務で心に決めたらしいぞ」
「なにっ!?やっぱな!こいつ雰囲気変わったぞ。前みたいな『底抜けのバカ』な感じが、『ひでぇバカ』ぐらいになってた!」
バッ、バッ、と二人がシュリに向き直って言った。
「「お前ついに、アスナイとデキたんだな!!!」」
次の瞬間、二人はシュリのラリアットで盛大に湯船に投げ込まれた。
王によって十分な快適さが保証され、一人ひとりにきちんと個室があてがわれていた。
浴場で水をかぶるシュリのところに、さっきの仲間の一人がやってきた。
「おいシュリ、さっきハレイ達と話してたんだけどよ、今夜お前の帰還祝いっつー事で飲みに行かねーか」
「お前ら何かにつけて飲みてーだけだろ」
笑いながら赤い頭を振って水気を飛ばした。
「いいぞ、別に」
「お、やった。じゃぁその後は…やっぱ女だな。そっちは俺らで1番の上玉、おごってやるよ」
同僚がシュリの裸の肩を叩いて、片目をつぶった。
「…………」
したしたと石の床に音をたてる水の雫の音を聞きながら、シュリは少女を思い出した。
“シュリさん…”
きらきらと黒の瞳を細めた、清廉な笑顔。
「……いや、そっちはいいわ」
「は?何でだよ。おごりだぞ」
「とにかく、俺は女はもういい」
誘えば断らなかったシュリの変化に、同僚は目を丸くした。
「……お前、まさかキトニの旅で決めた相手が出来たのか」
途端に、シュリの顔色が自分の髪と同じになる。
驚愕の表情を浮かべた彼は、すぐそばで体を洗っていた別の同期を手招きした。
「おい、こいつついに、この間のキトニの任務で心に決めたらしいぞ」
「なにっ!?やっぱな!こいつ雰囲気変わったぞ。前みたいな『底抜けのバカ』な感じが、『ひでぇバカ』ぐらいになってた!」
バッ、バッ、と二人がシュリに向き直って言った。
「「お前ついに、アスナイとデキたんだな!!!」」
次の瞬間、二人はシュリのラリアットで盛大に湯船に投げ込まれた。