デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「王様…大丈夫だったかな」
今日の、いつもとは違う様子が思い出されて、桜はそう呟いた。
(王様がいくら不老不死っていったって、早く治るっていったって、疲れたら辛いよね)
そう思った所で、はっ、と思い至る。
そうだ。すぐに治ると言っても、病気をしないわけでも、怪我をしないわけでもない。
王も、痛かったり辛かったりするはずなのだ。
何となく、皆、そして王自身もそれを忘れてるのかもしれない。“治るし、死なないから大丈夫”と。
長く生き続けているからといって、こんな大きな国を治めることが、大変じゃないわけない。
心の負担と、体の負担は全然別のはずなのに。
いつも微笑みを絶やさず『大丈夫だ、すぐ治る」って言うから、つい忘れてしまうのかもしれない。
(……王様は、皆にあがめられて、尊敬されて、贅沢な暮らしをしてるけど…ちょっと疲れた時とか、具合が悪くて心細くなった時に、『きつそうですね、大丈夫ですか』って言う人は、いるのかな)
深宮の向こうに、少しずつ日が沈むのを見ていると、なんだか無性に心配になった。
今日の、いつもとは違う様子が思い出されて、桜はそう呟いた。
(王様がいくら不老不死っていったって、早く治るっていったって、疲れたら辛いよね)
そう思った所で、はっ、と思い至る。
そうだ。すぐに治ると言っても、病気をしないわけでも、怪我をしないわけでもない。
王も、痛かったり辛かったりするはずなのだ。
何となく、皆、そして王自身もそれを忘れてるのかもしれない。“治るし、死なないから大丈夫”と。
長く生き続けているからといって、こんな大きな国を治めることが、大変じゃないわけない。
心の負担と、体の負担は全然別のはずなのに。
いつも微笑みを絶やさず『大丈夫だ、すぐ治る」って言うから、つい忘れてしまうのかもしれない。
(……王様は、皆にあがめられて、尊敬されて、贅沢な暮らしをしてるけど…ちょっと疲れた時とか、具合が悪くて心細くなった時に、『きつそうですね、大丈夫ですか』って言う人は、いるのかな)
深宮の向こうに、少しずつ日が沈むのを見ていると、なんだか無性に心配になった。