デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
(やっぱりだめよね、いきなり王様の家をアポなし訪問なんて…)
まあもう一度だけ、と思って、今より少しだけ大きめに戸を叩く。
沈黙。
(うん…だめかな。仕方ない、帰ろう)
桜が扉を離れてまわれ右をしようとした時、ガチャ、と何かを外す小さな音が聞こえた。
(あ)
キイ…という木の音がして、ゆっくりと扉が開いた。
出てきたのは、薄桃色の柔らかそうなワンピースを着た、色白の美しい娘だった。
桜を見るなり、「きゃ……」と恐怖にその長いまつげの目を見開いた。
「あ、待ってください、私『魔』じゃないです。あっちの宮で、お世話になってるんです」
騒ぎになる前に、慌てて一生懸命説明した。
まだ恐れを残しながらも、肩から少し大きめに空いた胸元に手を当てる娘は、何とか桜を見た。
「我が君の、お客様ですね。御用は何でしょうか…我が君のお召ですか」
鈴が鳴るような、可愛らしい声だ。うっすらと衣から見える体の線は華奢だったが、その胸元はぷっくりと豊かだった。
「あ、いえ…違うんですが、お昼にお話をした時にすごくお疲れのようだったので……辛いんじゃないかと、気になったんです」
まあもう一度だけ、と思って、今より少しだけ大きめに戸を叩く。
沈黙。
(うん…だめかな。仕方ない、帰ろう)
桜が扉を離れてまわれ右をしようとした時、ガチャ、と何かを外す小さな音が聞こえた。
(あ)
キイ…という木の音がして、ゆっくりと扉が開いた。
出てきたのは、薄桃色の柔らかそうなワンピースを着た、色白の美しい娘だった。
桜を見るなり、「きゃ……」と恐怖にその長いまつげの目を見開いた。
「あ、待ってください、私『魔』じゃないです。あっちの宮で、お世話になってるんです」
騒ぎになる前に、慌てて一生懸命説明した。
まだ恐れを残しながらも、肩から少し大きめに空いた胸元に手を当てる娘は、何とか桜を見た。
「我が君の、お客様ですね。御用は何でしょうか…我が君のお召ですか」
鈴が鳴るような、可愛らしい声だ。うっすらと衣から見える体の線は華奢だったが、その胸元はぷっくりと豊かだった。
「あ、いえ…違うんですが、お昼にお話をした時にすごくお疲れのようだったので……辛いんじゃないかと、気になったんです」