デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
サラリと言われた物騒な言葉に、シュリはガックリとうなだれた。

『ハア…。じゃせめて腹ごしらえくらいさせろ』

大通りに立ち並ぶ屋台を指さして要求する。

『きっとこいつも腹すかせて…って、ん?』

自分の前に座らせた桜が、さっきから静かすぎるのに気付く。

『…おい?寝てんのか、お前?』

伏せられた吹き出物だらけの顔をのぞきこむと、玉のような汗がうかんでいる。

眉はひそめられて、少し呼吸が乱れていた。

(何…どうしたんだろ…これ…)

体が熱を持って、左腕の傷がズクズクと疼く。痛くてたまらないのに、頭がぼうっとする。

『おいアスナイ、こいつなんか様子がおかしいぞ』

シュリの言葉にアスナイは馬を寄せ、桜の額に手をあてた。

『…おそらく、疲労と傷からくる熱だ』


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