デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
『おかえりなさいませ、武官様。…おや、その方は?』
出迎えの宿の主人が、頭からシュリのマントをすっぽりかぶった桜を目ざとく見つけた。
『そこの店で買った女だ。別にかまわんだろう?』
アスナイがするりと桜の肩を抱き寄せ、主人に笑いかけた。
『ええ、それはもう、お客様のよろしいように。……いえてっきり、先ほどの探し人が見つかられたのかと思いまして』
狸が、探るような目で口元の微笑を深くする。その目線をかわすように肩をすくめてみせた。
『残念ながら空振りだ。この街にはいないようだよ。全く女でも買わなけりゃ、やってられない』
お前は何も言うなと念を押されたシュリが、後ろでドキドキしながら事の成り行きを見守っている。
『…さようでございますか。しかしまた…お若い武官様お二人に、女がたった一人とは…よろしければ、もう一人、私が調達いたしましょうか?』
ねっとりと食い下がる主人に、アスナイは艶然と美しい微笑を返す。
『お前もこんな街で商売をする人間にしては了見が狭いな、主人』
グイと後ろの赤髪の相棒の腕を引っぱって、自らの腕と絡めた。
『…こういう愉しみは、何も男と女が一対一とは限らんだろう?』
思わず言葉につまった相手に、アスナイはさらに言い含めた。
『ああ、だが我らが女を買った事は黙っておいてくれ。さすがに仕事仲間と一緒に楽しんだとバレれば面倒だからな』
金貨を2枚主人の懐へ入れると、さっさと桜をつれて部屋へと入っていった。
出迎えの宿の主人が、頭からシュリのマントをすっぽりかぶった桜を目ざとく見つけた。
『そこの店で買った女だ。別にかまわんだろう?』
アスナイがするりと桜の肩を抱き寄せ、主人に笑いかけた。
『ええ、それはもう、お客様のよろしいように。……いえてっきり、先ほどの探し人が見つかられたのかと思いまして』
狸が、探るような目で口元の微笑を深くする。その目線をかわすように肩をすくめてみせた。
『残念ながら空振りだ。この街にはいないようだよ。全く女でも買わなけりゃ、やってられない』
お前は何も言うなと念を押されたシュリが、後ろでドキドキしながら事の成り行きを見守っている。
『…さようでございますか。しかしまた…お若い武官様お二人に、女がたった一人とは…よろしければ、もう一人、私が調達いたしましょうか?』
ねっとりと食い下がる主人に、アスナイは艶然と美しい微笑を返す。
『お前もこんな街で商売をする人間にしては了見が狭いな、主人』
グイと後ろの赤髪の相棒の腕を引っぱって、自らの腕と絡めた。
『…こういう愉しみは、何も男と女が一対一とは限らんだろう?』
思わず言葉につまった相手に、アスナイはさらに言い含めた。
『ああ、だが我らが女を買った事は黙っておいてくれ。さすがに仕事仲間と一緒に楽しんだとバレれば面倒だからな』
金貨を2枚主人の懐へ入れると、さっさと桜をつれて部屋へと入っていった。