MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
***

「ごめんね、ひなたちゃん。会社を出ようと思ったら同僚に呼び止められちゃってさ」

 私は翌日、早番の仕事を終えると同時に『今日会えないですか?』と棚野さんに電話をかけた。
 待ち合わせ場所に指定したのは、職場の最寄り駅にある小さなコーヒーショップだ。
 そこへ棚野さんは約束した時間より十分ほど遅れてやってきた。

「すみません、こちらこそ突然電話してしまって」

「いいんだよ。ひなたちゃんから電話もらえてうれしいんだから」

 きっと私が呼び出したせいで、急いで仕事を終えて来てくれたのだろう。
 そう思うと途端に申し訳なくなってくる。

 お互い仕事終わりに会うのだから、いつもなら一緒に食事に行こうかという流れになるところだが。
 このあとしようとしている話の内容を考えたら、それもどうかと思うので言うのをやめた。
 一緒に食事を楽しんでいる場合ではない。
 この小さなコーヒーショップで話し終えて帰るほうがいい。

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