MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「すみません。お付き合いは……できません」

 座ったまま、目の前のテーブルに額がつきそうなくらい深く頭を下げた。

「俺のこと、嫌い?」

「いえ! 嫌いではないです」

 嫌いだったら考える間もなく断っている。何度も一緒に食事したりしない。
 棚野さんはやさしくて良い人だ。
 一緒に働いてるころから職場で親切にしてもらった。
 だからこそ、断るのは胸が痛む。

「嫌いじゃないなら、付き合ってくれないかな。とりあえずでいいんだ。好きじゃなくてもいい」

 とりあえず? 好きじゃなくても?
 それは、お友達から交際を……という意味だろうか。

「ひなたちゃんの言いたいことはわかるよ。俺のこと好きじゃないんだろ?」

「……」

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