MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 綺麗な笑顔を見せてくれた日下さんに、私はドキドキした。
 何気ないことを話していてるだけでも楽しかった。
 長年恋愛をしていない私だが、恋の始まりというのは、そういうことが一番大事ではないかと思えたから。

 胸の高鳴り、蕩けそうになるような高揚感。
 相手を恋愛対象として見たときに、それがあるかないか。
 その判断基準がわかったような気がしたのだ。

「ひなたちゃん。あの人、既婚者だよ?」

 おぞましいものでも見るかのように、棚野さんがクイッと顔をしかめた。
 日下さんを軽蔑しているみたいだ。
 棚野さんは私を心配してくれているのだろうけれど、あからさまなその表情に引いてしまう。

「わかってます。日下さんは関係ありません」

 これ以上誤解させないように、彼は関係ないと言い切った。

 私もきちんとわかってる。日下さんには奥さんがいるのだ。
 だから日下さんとどうにかなりたいだなどと夢にも思っていない。日下さんだってそんな気はない。

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