MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 声をかけられたほうに目をやると、二十代前半くらいの若い男性が立っていた。

「あ、はい。すみません」

 なにも悪いことはしていないのに、思わず謝ってしまった。このカフェの関係者かもしれないと思ったからだ。
 その人は手にしていた黒い傘を畳んで再び私に視線を向ける。

「それは、どういうまじない?」

「……え?」

「だから、頭の」

 そう言われ、タオルハンカチを頭に乗せっぱなしだったことを思い出した。
 頭からサッと回収したけれど、羞恥で顔が熱くなってくる。

「中には入らないの? ここのロイヤルミルクティー、うまいけど」

「……はぁ……」

「飲んでいけば? 寒いだろ。震えてる」

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