MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 俺は大学を卒業後、日下さんの支援でアメリカに一年間留学することにした。
 アメリカでは経営学について徹底的に学んだ。
 留学を終え、帰国した俺はサンシャイン・ホールディングスに入社する。

 日下さんは変わらず俺を高く買ってくれた。まるで本当の息子のように。

 ここまで俺に目をかけていると、隠し子だと誤解されるのではないだろうか。
 まぁ……それはありえないし、俺の勘ぐりすぎた。

 数年後のある日、本社の経営戦略本部で働いていた俺に転機が訪れる。
 社長室にいる日下さんが俺を呼び出したのが事の始まりだ。

「来人、……頼みがあるんだ」

 いつも必ず柔らかい笑みを向ける日下さんが、この日はいつになく神妙な面持ちだった。なにかあったのだろうか。

「私の、息子になってくれないか?」

 意味不明だったが、日下さんが冗談を言っているとも思えなくて押し黙る。

< 198 / 262 >

この作品をシェア

pagetop