MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「エントランスまでついてく」

「いいですよ! ここまで送ってもらったので十分です。本当に今日はありがとうございました」

「いいから。送りたいんだ」

 どこまでもこの人は、私の心をかき乱す。
 会うのは今日で最後。勝手だけど私はそう決めたのだ。
 だから笑顔でお別れがしたかった。
 なのに必要以上にやさしくされると泣きそうになってくる。

「ほら、早く」

 そんな私の心を知ってか知らずか、日下さんがそっと私の右手を取る。
 指を絡めての恋人つなぎではないにしろ、恋愛経験の乏しい私はこれだけでも顔が熱くなりそうだ。

 中学生じゃあるまいし。手を繋いだくらいで赤面だなんて。
 まるで子供みたいだけれど、これも良い思い出にしよう。

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