MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 早足ではなくゆっくりと歩いたのに、樹里のマンションはもう目の前だ。
 マンションの近くまで車で来たのだから当然なのだけれど。
 どうしよう。離れがたいな。
 できればずっとこの手を離さないでいたい。

 そんなふうに思っていると、背後からだんだんとエンジン音が聞こえてきた。
 車ではなくバイクのエンジン音のようだ。
 この辺りはあまり車もバイクも多くは通らない。
 なんとなく気になって、不意に後ろを振り向いたときだった。

 ―― そのバイクが、私たち目掛けて近づいているとわかった。

 ライトが眩しい。
 しかも近づくにつれて止まるどころかスピードアップしているように思う。

「日下さん、あぶない!!」

 日下さんは車道側を歩いてくれていた。
 私は咄嗟に彼をかばい、繋がれた手を引っ張って身体を入れ替えた瞬間、そのバイクと右半身が接触した。

「ひなた!!」

 身体が吹っ飛ばされ、地面を三回転ほどゴロゴロと横向きに高速で転がった。

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