MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 彼がが唯一心から信頼し、尊敬している人だ。
 日下一朗さんは娘婿として迎え入れてくれて、サンシャインの副社長にまでしてくれた恩人である。
 その娘さんとの離婚となると、そちらの人間関係にも大きな亀裂が入りかねない。

「もちろん誠心誠意謝ったよ。娘を幸せにしてくれと言われていたのに出来なかったんだから。でも、わかってくれた。というよりも逆に謝られた。ワガママな娘を押し付けてすまなかった、と」

 ふたりが分かり合えてよかった。
 義理の息子になりたいとまで慕っていた人だもの。
 なのに少なからず私のせいでその関係が壊れたとなれば胸が痛む。
 そうならなくて本当によかった。

「副社長の職は返上した」

「え?!」

「娘と結婚した経緯で与えられたポジションだったから当然だ。離婚した今もそこに居座り続けるほど俺は厚顔無恥じゃない」

 日下さんが……サンシャインの副社長ではなくなった。
 イケメン副社長としてビジネス雑誌やネットにまで載っている人なのに。
 いきなり辞めてしまって大丈夫なのかと心配になってくる。
 彼は今後どうするつもりなのだろう?

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