MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「お仕事、ですか?」

「このトロピカルデザートバイキングは期間限定でね。先週からやり始めたんだけど、集客の様子を見て回ってるんだ」

「そうでしたか」

「来るなら先に連絡くれたらよかったのに。なんのために名刺を渡しておいたんだよ」

 そう言われても困る。
 私だって地下鉄の駅を出るまで、このホテルに来るのは想定外だったのだ。
 行き先がここだとわかったあとも、まさか本当に日下さんがここにいるとは思ってもみなかった。

「もしかして俺の名刺……捨てた?」

「いえ、捨てるわけないじゃないですか! そんな失礼なことしません」

「だけどどうせスマホに俺の番号は登録してないだろ?」

「そ、それは……」

 名刺はちゃんと持っているけれど、仰るとおり登録まではしていません。
 だって実際に連絡をすることはないだろうと思っていたから。

「スマホ、出して」

「え?」

「だから君のスマホ」

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