遠回りして気付いた想い
「亜耶。塾が終わったら、時間有るか?」

お兄ちゃんが突然聞いてきた。

ん?

別に何も予定は、無かった筈。

「うんあるよ。何かあった?」

私が聞き返すと。

「あぁ、由華がな"四人で食事しよ"って、言ってるんだ。大丈夫か?」

お兄ちゃんが、困った顔をする。

お兄ちゃん、由華さんには甘いもんな。

「いいよ」

由華さんに会うのも久し振りだし…。

ただ、四人って後誰なんだろう?

「じゃあ、十八時半に駅で待ち合わせな」

お兄ちゃんが話を進めた。

「うん、わかった」

私たちが話に夢中になってると。

「亜耶。そろそろ出ないと本当に間に合わないわよ」

お母さんが、水を指す。

わー。

「ごちそうさまでした」

私は、慌てて手を合わせ、自分が使った食器を片付けて、自室に行き、教科書の入った鞄を掴む。

その横には、昨日渡しそびれた悠磨君のプレゼントがあった。

これ、今日渡せれたら渡そう。

そう思い、鞄に仕舞った。
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