恋の始まりは偽装結婚
「それでいい。俺の変顔もまんざらじゃないな」

「ありがとうございます」


 ひとしきり笑った後、お礼を言う。

 今はおばあちゃんの幸せを考えて笑わなきゃ。ううん。佐伯さんのおかげでちゃんと笑える。

 撮影を再開し、何枚か写真を撮っていくと、ふいに佐伯さんの頭が下りてきて……。

 突然、私の頬に彼の唇が当てられた。


「佐伯さんっ!?」

「セクハラで訴えるなよ? この方が新婚カップルっぽいだろう?」

「いいですね~幸せそうに見えますよ」


 牧師さまも面白がっているのか、何枚も写真を撮っていく。両方のスマホを合わせてかなりの枚数になるはず。

 今の牧師さまは満面に笑みを浮かべ、満足そうな顔だった。


「見てください! ステキな写真がたくさん撮れましたよ」


 それぞれのスマホを撮影してくれた牧師さまから返されると、私は撮ったばかりの写真を見ていく。


 牧師さまの言う通り、本当に愛し合っているみたいな写真になっている。


「……ありがとうございました」


 これで祖母を安心させられると思うと、涙が出そうだった。

 私って涙腺が弱いし、嘘をつくのも苦手……でも、これでおばあちゃんを信じさせることができそう。


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