クールなCEOと社内政略結婚!?
「これは立派な証拠になるだろう? それに俺はもうこれ以上、あさ美と俺の関係を黙っておくつもりはない。なにがあっても、あさ美の夢もあさ美自身も俺が守る。そう決めたんだ」

 孝文の言葉に胸から熱いものがこみ上げてきて、涙となって溢れた。こんなに私のことを思ってくれていたのに、私は彼のことを疑ってばかりだった。

「政略結婚のくせに偉そうにいうのね? 調べたのよ。宗次さんのお父様から援助をうけてるってこと。それに彼女を守るなんて具体的にどうするつもり?」

「ニューヨークに支社を出すつもりだ。そこでならあさ美ものびのびと働くことができるはずだ」

「そこまでして……」

 雅さんは孝文の言葉に絶句した。

「俺たちの結婚を侮辱するのは許さない。入り口はどうであれ、俺たちはちゃんとした夫婦だ。少なくとも俺はそう思っている」

 孝文の手が伸びてきて、少し後ろにいた私の手を引いた。近づいた私の腰に手が回されて抱き寄せられ、見つめられる。

 涙がボロボロと止めどなく溢れた。孝文の思いが痛いくらいに伝わってきた。
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