クールなCEOと社内政略結婚!?
 ついさっきまで、彼のことが信じられずにひとり殻に閉じこもっていた。そんな私にこれを受け取る資格があるのだろうか?これからも彼の隣に立っていていいのだろうか?

「なんだよ。ここで迷うわけ? まぁいいけど。お前が嫌だって言っても無駄だからな」

 孝文は小箱から指輪を取り出すと、私の左手の薬指にはめた。

「似合うじゃん。俺が選んだんだ、あたりまえか」

 軽口を叩く孝文を私は涙目で睨んだ。しかしそこにあったのは真剣な顔の孝文だった。

「あの日、あの見合いの席に来たのがあさ美でよかった……あの日からやり直そうなんてことは言わない。あの日からが俺たちの大事な時間だからだな。でもけじめとしてちゃんと言わせてくれ」

 孝文が言葉を区切って、まっすぐに私を見つめてきた。強い気持ちが視線に込められているような気がして、私も同じ気持ちを返そうと彼を見つめ返す。
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