クールなCEOと社内政略結婚!?
「でも私、すごく寝相が悪くて――」

「心配するな。ベッドはでかいし、寝返りも打てないほど疲れさせてから寝かせてやる」

 それって……いったいどんな事をすれば、そんな状態になるわけ?

 想像しそうになって、あわてて掻き消した。

「なんなら、今から初夜の予行演習するか?」

 余裕たっぷりの笑顔で、私の頬にかかる髪を彼の長い指や優しく耳にかけた。ゾクゾクとした感覚か体を駆け巡る。体内の温度が上がる。いつも自分でやっていること、それなのに他人の手でされると、こんなにも自分を戸惑わせるとは思わなかった。

 さっきから彼が触れたところが、私に新しい感覚をドンドンと与える。

 このままだと変になりそうっ……。

 ギュッと目をつむって、なんとかその感覚に抗おうとした。耐える方法がこれしか思いつかない。

――カシャ

 なんとか我慢しようと、目をつむり体を固くした私の耳に聞こえてきたのは、シャッター音。
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