空から雨が降る日。【完】



気付けば私は、近くの公園に来ていた。

辺りを見渡しても誰もいない。私しかいない。
それもそのはずだ。

こんな時間に、こんな大雨の中、来るのなんて私一人。

ブランコに乗って、ギー…と音を立てて揺らす。どんなに身体を動かしても雨は私に襲い掛かる。

「…あめ、」

上を見上げて降り続ける雨を見る。


空雨が死んだあの日から、私は雨が嫌い。大嫌い

雨は私の大切なものを全て奪っていく。そう、全て―…


高校入学の時、空雨が入院した時も、雨だった。

雨の中空雨の手を握ったのを覚えてる。

一緒に行こうねって約束をした。だけど、その約束は…たった数日、たったそれしか叶わなくて。


その後、空雨がいなくなるとき、必ずしも空から雨が降っていた。

< 134 / 311 >

この作品をシェア

pagetop