コクリバ 【完】
「ニュースでは長いこと行ってると言ってましたが、奈々先生、大丈夫ですか?」
「半年です。半年帰ってきません」

洋祐先生がユリ組の教室を見渡しながらゆっくりと歩き出した。

「あのニュースの中のあなたたちを見た時、正直驚きました。でも、二人とも一生懸命なのが分かって……見守っていきたくなりました」
「先生……」
「頼まれた訳ではありませんが、彼がいない間、あなたのことは私が支えましょう。彼が戻ってくるまで、あなたを守るのが私の責任だと、そう思ったんです」
「洋祐先生……」
「勝手ですが、そうさせてもらっていいですか?」
「っ…ありがとうございます」

鼻の奥がツンと痛んで、上手く話せない。

洋祐先生の優しさが痛い。

思わせぶりな態度を取っていたことを非難してくれていいのに、そんなこと気にしてないかのような言い方に、洋祐先生の器の大きさを感じて、改めて感謝した。

「では、さっそくサマーキャンプの準備にかかりましょうか」
「はい!」



洋祐先生は、今年初めて行われたサマーキャンプを見事に成功させた。
< 553 / 571 >

この作品をシェア

pagetop