コクリバ 【完】
夕方には吉岡も来てみんなでピザを取ってアルコールも飲んだ。
絢香だけは母乳育児にこだわってるとかで、ジュースだったけど……

途中、電話がかかってきたともちゃんが先に帰った。どうやら新しい彼氏ができたらしい。

みんな少しずつ先に進んでいるようだ。

夜遅くなる前に、吉岡と一緒に絢香の家を出ると、

「飲み足りなくないか?」

吉岡の提案で駅前の居酒屋に入った。

二人で飲むのは初めてかもしれない。

「緒方……」

ビールを合わせたあと、吉岡が先に口を開いた。

「別に呼び方変えなくていいよ」

吉岡もあのニュースを見たのかもしれない。

「…良かったな。高木さんとヨリが戻って」
「…うん」

ビールジョッキについた水滴を拭いながら、途切れた会話を繋げようと話題を探した。

「これで、俺も、やっと終わらせられる」
「え?」
「おまえのこと気にしなくてよくなるってことだよ」
「気にしてたの?」
「当たり前だろ?おまえ、俺と別れてからひどかっただろ」
「ひどくないよ」
「男が出来てもすぐに別れるし、合コン行きまくってるし」
「そんなに行ってないって」
「あげくシングルマザーになりたいとか言うし…心配するだろ」
「私だって吉岡の事、心配してたよ。この前、元カノのことで悩んでたでしょ?」
「どの元カノか分かってねーだろ」

ビールジョッキを落としそうになった。
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