ここで息をする
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打ち合わせがあった日の翌日。
案の定登校するなり、真紀と季里に昨日のことを尋問された。高坂先輩が教室に迎えに来た、例の事件について。
予想していたことだけど、やけに興味津々な二人に驚かされる。
話を簡潔に纏めることが苦手な私は、物理的にも精神的にも衝撃だった出会いから昨日打ち合わせのために呼ばれた経緯まですべてを打ち明けた。
「あの先輩、映画研究部の人だったんだね。前に昇降口でぶつかってから波瑠のことを熱心に目で追いかけてたし、てっきり告白されて付き合い始めたのかと思ったよー」
私が先輩とぶつかったときのことを覚えていたらしい季里がそんなことを言った。観察力の鋭さととんだ勘違いな想像に驚いて、どこから突っ込んで訂正するべきか迷ってしまうほどだ。
「季里、よく覚えてたね。ていうか、気付いてたんだ。先輩の視線に」
「そりゃあ気付くよー。廊下ですれ違うと波瑠のことだけを真っ直ぐ見つめてるんだもん。さすがに波瑠も気付いてたでしょう?」
「まあね。毎回だとさすがに……」
「さすがにストーカー系のやばそうな感じなら忠告しようと思ってたけど、あの感じなら一応好意だろうなと思ってとりあえず放っておいたんだよね。でも実際は、映画の勧誘だったか~。ついに告白されたかーって、昨日の二人を見たときには興奮したのになぁ! まさかの展開でつまんないっ!」
どうやら恋愛的展開を想像して期待していたらしく、季里は何度も「本当に告白されてないの?」と確かめてきた。
私としては映画のキャストの依頼というだけでかなり衝撃的な展開だったのに、季里からするとつまらないものだったらしい。残念そうな顔をされて、苦笑いしか出てこなかった。