家族の絆
 これ以上の資金はどうしても工面できないし、以前のファックスでは、USD5,800.00を支払いすれば、こちらに送金され、その後USD9,150.00の法定手数料と支払えば、いいということではなかったのかと、ロバートに電話で食って掛かったが、ともかくテロ対策なので、仕方がないの一点張りであった。このことは、直ぐにジョーにも伝えたが、こちらもそれは仕方がないなあということだったが、ともかく先立つものがないという話をせざるを得なかった。
 一連の書類はあるが、ジョーの所在がはっきりしていないので、借金をするにしても保証の欠片にもならないというような話をしたら、前にもメールしたようにパスポートのコピーを送ってくれることになった。まあ、それがあっても借金が出来るようなことには決してならないだろうと思っていた。

 翌朝、確かに、ジョーのパスポートのコピーが送られてきた。あまり鮮明な状態ではなかったが、一応番号とかが判別できる程度であった。毎日のように電話をしている相手のジョーはこんな男なのだと少し感慨を持って眺めた。まあ、パスポートのコピーを送ってきたところで、この話は、この時点で終わってしまうのだろう、と思っていた。
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