真夜中のアリス

その味は暖かく、優しくやけに全体に染み込んできて寒かった筈の心をどんどん温めてゆく。
閉じた筈のそれを緩やかに解き放っていく。
ぽつりと落としたそれにティーカップの中身が波立つ。

「美味しいなぁ…,。あったかいなぁ。
…なんでこんなに死にたいくらい辛いのに味は解るしお腹は空くんだろう。全部何もかも消えちゃえば楽になれるのに」

瞳を擦りながら自虐的な言葉を吐く。きっとあたしは「そんなことないよ」みたいな、優しい否定の言葉をかけてほしくて言っている。けれど卑怯なあたしはそれに気付かない振りをして次なる言葉を少しの期待を持って待つ。

「本当にそれが君の心からの願いなのかい?」

期待した言葉はなく、ずーんと沈むような低い声。見上げれば芋虫が難しい顔にしかめ面な表情をブレンドにさせて髭を弄りながらそれを問う。
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