真夜中のアリス
「…違うよ。違うけど、あたしなんて居なくなったってどうってことないもん。あたしには存在価値も何もないんだから」
ティースプーンをカップの中に入れてグルグル搔き回す仕草。何かしていないときっとまた涙が止まらなくなるような気がして、無意味な動きをし続ける。
「アリス。何故君は、自分で自分の価値を定めるんだい?儂は君よりかは永く生きとるつもりだが、年甲斐もなく未だに自分の価値はまだまだ無限に秘められていると思っておるぞ。」
顔を上げれば、ニヤっとクールな微笑みを浮かべている芋虫の紳士。丁度芋虫もお茶を飲み干したところのようだ。