真夜中のアリス

辿々しく、それでいて言葉を探しながら
それを口にする。カモミールの暖かさで心が絆され弱さなんて見せたくはないけれど、口が開いて止まらないのだ。

「それはだな、アリス。まだ君が本当の渇望に近付いてはおらぬし、そして此処は矛盾が織りなす世界でありまた君自身も矛盾の最中に苛まれているからなのだよ」

高らかにそして自信に満ち溢れたように芋虫はそれを告げる。無感情だった筈なのに、沸々と身体の中に何かが巻き上がる。

「あ、あたし、別に矛盾してるような事何一つしてない…!確かに今の行動原理は不透明だけれど…」

「よぉく思い出してご覧。君は忘れたいと願いそれを封じ込めたのに、その忘れたいと願った事を忘れてそれを心の奥底から思い出したいと願っておる。
それを矛盾と呼ばずして何と呼ぶ?」

「……は…えぇ…?」
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